2017 / 06
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「ア・ペーヌ」 "A peine" は1970年にリリースされた BARBARA L'AIGLE NOIR の10曲になるアルバムの第1曲目に収録されている。作曲はローラン・ロマネリ Roland Romanelli で作詞はバルバラ自身だが、とても素晴らしい曲だと思う。

"A peine" という言葉は「ほとんど・・・ない」「やっと・・・したばかりだ」という意味だが、バルバラの歌詞では微妙なニュアンスで使い分けられていてとても訳すのは難しい。この曲の邦題をどうするかはとても困ったが、あえて発音どおりの「ア・ペーヌ」とする。

バルバラの歌の世界には移ろいやすく不安定な情緒を歌ったものが多いが、それは彼女自身が感じる情感の表出であることは間違いなく、またそれば彼女の声質に合っている。バルバラの歌詞はおそらく推敲に推敲を重ねて音の響きを選び、さらには即興的で自由な弾き語りのピアノの音色でもって、デリケートな色彩にあふれた彼女の音と詩の世界を展開し、私たちを魅了する。

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A peine  Barbara  ア・ペーヌ  バルバラ

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A peine  ア・ペーヌ       《宇藤カザン訳》

A peine le jour s'est levé,
A peine la nuit va s'achever
Que déjà, ta main s'est glissée,
Légère, légère.
A peine sorti du sommeil,
A peine, à peine tu t'éveilles
Que déjà, tu cherches ma main
Que déjà, tu frôles mes reins.

朝が訪れるやいなや
夜が明けるやいなや
もうあなたの手が滑り込む
そっと、そっと
眠りから覚めるやいなや
あなたが眠りから覚めるやいなや
もうあなたの手は私の手を求め
もう私の腰に触れている

L'aube blafarde, par la fenêtre,
L'aube blafarde, va disparaitre.
C'est beau : regarde par la fenêtre.
C'est beau : regarde le jour paraitre.

窓の向こうには青白い曙
消え行く青白い曙
美しいわ、窓の方を見て
美しいわ、日が昇り始めるのを見て

A chaque jour recommencé,
A se vouloir, à se garder,
A se perdre, à se déchirer,
A se battre, à se crucifier.
Passent les vents et les marées.
Mille fois perdus, déchirés,
Mille fois perdus, retrouvés,
Nous restons là, émerveillés.

新しい一日が始まる度に
求め合い、意のままにしようと
我を忘れ、いがみ合い
互いに争い、苦しみ合う
風が吹き抜け、潮が満ちて行く
何度も何度も夢中になり、傷つき
何度も何度も夢中になり、取り戻す
私たちがこうして続けているのは驚くばかりだ

Ton indocile, ta difficile
Et puis docile, ta si fragile,
Je suis la vague où tu te noies,
Et je m'enroule au creux de toi

あなたの扱いにくい女、あなたの気難しい女
かと思えばあなたの素直な女、あなたのとても傷つき易い女
私は波よ、あなたはそこで溺れるの
そして私はあなたの体の隙間に絡みつく

A peine le temps s'est posé,
Printemps, hiver, automne, été.
Tu t'en souviens ? C'était hier,
Printemps, été, automne, hiver.
A peine tu m'avais entrevue,
Déjà, tu m'avais reconnue.
A peine je t'avais souri
Que déjà, tu m'avais choisie.

もうほとんど時が止まってしまって
春、冬、秋、夏
あなたは覚えているかしら?まるで昨日の事だったみたい
春、夏、秋、冬
ほんのわずかあなたは私を見ただけで
もうあなたは私を見抜いたわ
ほんのわずか私が微笑んだだけで
あなたは私を選んだのよね

Mon indocile, mon difficile
Et puis docile, mon si fragile,
Tu es la vague où je me noie,
Tu es ma force, tu es ma loi.

私の扱いにくい人、私の気難しい人
かと思えば私の素直な人、私のとても傷つき易い人
あなたは波よ、私はそこで溺れるの
あなたは私の権力、あなたは私の掟なの

Dans la chambre, s'est glissée l'ombre.
Je t'aperçois dans la pénombre.
Tu me regardes, tu me guettes.
Tu n'écoutais pas, je m'arrête.
Au loin, une porte qui claque.
Il pleut, j'aime le bruit des flaques.
Ailleurs, le monde vit, ailleurs
Et nous, nous vivons là, mon coeœur
Et je m'enroule au creux de toi
Et tu t'enroules au creux de moi.

部屋の中が薄暗くなってきた
あなたの姿が薄明かりの中に見える
あなたは私を見つめ、気持ちを探る
私の言うことをあなたは聞こうとしなかったので私は止めたわ
遠くで、ドアの閉まる音
雨が降っている、水溜りの音が好き
外の世界では生活が営まれているのね、他の場所では
そして私たちは、こうして生きている、愛しい人
そして私はあなたの体の隙間に絡みつく
そしてあなたは私の体の隙間に絡みつく

Le temps passe vite à s'aimer.
A peine l'avons-nous vu passer
Que déjà, la nuit s'est glissée,
Légère, si légère.
Ta bouche à mon cou, tu me mords.
Il fait nuit noire au dehors.
Ta bouche à mon cou, je m'endors.
Dans le sommeil, je t'aime encore.

愛し合っていると時は早く過ぎ去り
時が過ぎて行くのが分かったと思うやいなや
もう夜が忍び寄って来た
そっと、そっと
あなたの口が私の首に、あなたは私を噛む
夜になって外は暗い
あなたの口は私の首に、私は眠りに落ちる
まどろみつつも、まだあなたを愛している

A peine je suis endormie
Que déjà, tu t'endors aussi.
Ton corps, à mon corps, se fait lourd.
Bonsoir, bonne nuit, mon amour...

私が眠りかけていると
あなたも一緒に眠ってしまった
私の体にあなたの体が重たく感じられる
もう夜ね、おやすみなさい、愛しい人

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Author:Kazan





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