2017 / 07
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イヴ・モンタン Yves Montand の歌う曲はみんな好きだが、もっとも彼らしい魅力で歌われている曲の一つに「ア・パリ」 "A Paris" がある。「ア・パリ」とは「パリでは」ということで、パリのいろいろな情景を楽しく描写している。
1964年のモンタンのアルバム "Le Paris de...Montand" に収められているが、若いモンタンが「ア・パリ」を歌っている貴重な動画がある。

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A Paris  Yves Montand  ア・パリ  イヴ・モンタン

この歌はフランス語の響を軽快なリズムに乗せてセンス良く歌われなければならないから難しい。

「ア・パリ」の作曲はフランシス・ルマルク Francis Lemarque でおそらく1950年代の前半に作られた曲ではないかと思う。

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A Paris  Francis Lemarque  ア・パリ  フランシス・ルマルク

オランピア劇場のコンサートの時に歌われている冒頭の語りの部分は、別の曲から持ってきている。それはジャック・プレヴェール Jacques Prévert の詩、ジョセフ・コスマ Joseph Kosma の曲による「公園」 "Le jardin" という短い曲だ。

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Le jardin  Yves Montand  公園  イヴ・モンタン

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À Paris  Yves Montand  ア・パリ  イヴ・モンタン  1981年のオランピア劇場公演

歌詞の訳は自分では感覚的に理解できていても日本語に置き換えるのは難しい。多くの歌詞がそうであるように、短い言葉で大きな世界を表現する詩を十分に伝えることは出来ないので、その雰囲気だけでも味わっていただけたらと思う。

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À Paris  ア・パリ    《宇藤カザン訳》

Des milliers des milliers et des milliers d'années
Ne sauraient suffire pour dire
La petite seconde d'éternité
Où tu m'as embrassé
Où je t'ai embrassée
Un matin dans le lumière de l'hiver
Au parc Montsouris
À Paris
À Paris sur la Terre
La Terre qui est un astre

数千年の年月をかけても語ることが出来ない
ほんの小さな永遠の瞬間がある。
それは宇宙空間の地球の上の
パリのモンスリー公園で
冬の朝陽を浴びて抱きあった二人の永遠

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À Paris
Quand un amour fleurit
Ça fait pendant des semaines
Deux coeurs qui se sourient
Tout ça parce qu'ils s'aiment
À Paris

パリで
恋が花開いて
それは数週間に渡って
恋人たちの心に笑みがこぼれるのは
全て彼らがパリで愛し合っているからなのさ

Au printemps
Sur les toits les girouettes
Tournent et font les coquettes
Avec le premier vent
Qui passe indifférent
Nonchalant

春になれば
気ままにのんびりとそよぐ
春風に乗って
街行く人の気を引こうと
屋根の風見鶏が動き回る

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Car le vent
Quand il vient à Paris
N'a plus qu'un seul soucis
C'est d'aller musarder
Dans tous les beaux quartiers
De Paris

風はといえば
パリに来たからには
パリの美しい路地を
隈なく吹き抜けねば
とばかりに気を配り

Le soleil
Qui est son vieux copain
Est aussi de la fête
Et comme deux collégiens
Ils s'en vont en goguette
Dans Paris

風と幼馴染の太陽は
陽気に輝き
まるで二人の中学生のように
パリの街を上機嫌で練り歩く

Et la main dans la main
Ils vont sans se frapper
Regardant en chemin
Si Paris a changé

そして手と手を取って
パリで変わったところがないか
通りを眺めながら
屈託なく通り過ぎる

Y'a toujours
Des taxis en maraude
Qui vous chargent en fraude
Avant le stationnement
Où y'a encore l'agent
Des taxis

パリにはいつでもぼったくりの
タクシーがうようよしているが
タクシー乗り場の前にも
客引きがいるからね

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Au café
On voit n'importe qui
Qui boit n'importe quoi
Qui parle avec ses mains
Qu'est là depuis le matin
Au café

カフェでは
朝からひねもす
道行く人をじろじろ眺め
あれやこれや飲みながら
手振りよろしくおしゃべりしている人がいる
カフェでは

Y'a la Seine
A n'importe quelle heure
Elle a ses visiteurs
Qui la regardent dans les yeux
Ce sont ses amoureux
À la Seine

セーヌ河では
のべつ幕なしに訪問者を迎え
彼らはうっとりとセーヌ河を眺めるけれど
それはセーヌ河の恋人たちなのさ
セーヌ河では

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Et y'a ceux
Ceux qui ont fait leur nids
Près du lit de la Seine
Et qui se lavent à midi
Tous les jours de la semaine
Dans la Seine

でもセーヌ河の傍らでは
セーヌ河をねぐらにして
昼にはセーヌ河で年がら年中
水浴びしている連中もいるからね

Et les autres
Ceux qui en ont assez
Parce qu'ils en ont vu de trop
Et qui veulent oublier
Alors y se jettent à l'eau
Mais la Seine

かと言えば
疲れ果て、世の中に幻滅して
すべてを忘れたいがために
セーヌに身を投げる輩もいる
けれどもセーヌ河は

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Elle préfère
Voir les jolis bateaux
Se promener sur elle
Et au fil de son eau
Jouer aux caravelles
Sur la Seine

セーヌ河は
きれいな船が行き交うのを眺めたり
セーヌ河の水の流れにまかせてせて進む
帆船と戯れる方が好きなのさ

Les ennuis
Y'en a pas qu'à Paris
Y'en a dans le monde entier
Oui mais dans le monde entier
Y'a pas partout Paris
Voilà l'ennui

退屈は
パリにしかないというわけでなく
世界中にあるものではあるけれど
そりゃ世界中にあるものではあるけれど
パリにはそうざらにあるものではない
退屈はね

À Paris
Au quatorze juillet
À la lueur des lampions
On danse sans arrêt
Au son de l'accordéon
Dans les rues

7月14日のパリでは
紙ちょうちんの灯りにつられ
路上で奏でられる
アコーデオンの響に乗って
踊り明かすものさ

Depuis qu'à Paris
On a pris la Bastille
Dans chaque faubourg
Et à chaque carrefour
Il y a des gars
Et il y a des filles
Qui sur les pavés
Sans arrêt nuit et jour
Font des tours et des tours
À Paris

バスチーユ広場がパリ市民に
占拠されてからというもの
そこかしこの大通りや路地の歩道で
男も女も、昼も夜も
街を踊りながら練り歩く
パリでは

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[]
こんばんは、
素晴らしい記事ばかりですね。

訳詞も上手だし、私の下手っぴ訳詞は眼をつぶって下さいね^^;
[いきなりで、失礼します。]
シャンソンに興味があり、しばしば覗かせていただいています。

訳詞のリクエストをしたいのですが、下記の曲に関心がありましたら時間のある時にでもお願いしたいです。

原曲はブラジルの『POR AMOR』で作曲も歌もロベルト・カルロスです。
オルネラ・バノーニの『SE NON E'PER AMORE』から日本にも入ってきて『アラビア』という曲名で訳されているのですが、バノーニの詩とは関係なさそうなのです。
で、本当の歌詞を知りたいと思っています。

もうひとつは『逢びき / SENTADO A BEIRA DO CAMINHO』エラスモ・カルロス(ロベルト・カルロス?)が原曲ですが、やはりバノーニも歌っています。
Erasmo Carlos Sentado a Beira do Caminho

『逢びき / L'APPUNTAMENTO』ですが、出来ましたらカルロスのポルトガル詩の無中身が知りたいと思っていました。
オルネラ・ヴァノーニのほうも、出来ましたら原文に即した訳で知りたいなと思っています。

Ornella Vanoni & Carmen Consoli - L'appuntamento (2008)

突然で、恐縮ですが気が向いたら訳していただければ幸甚です。
[]
コメントありがとうございます。
ポルトガル語なので出来るかわかりませんが、出来るようだったらアップします。
[ありがとうございます。]
調子に乗って、もう一言・・・。

オルネラ・バノーニの『SE NON E'PER AMORE』は、何で『アラビア』なのが分かりませんが、本当にアラビアなんて内容なのでしょうか・・・。
出来ましたら、バノーニの方も知りたいです。

いきなりで勝手なことばかり言って済みません。
お暇な時があって、そんな気になったらよろしくお願いします。
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